2014年御翼8月号その2

子どもの心の骨組みの育ち―田中 哲さん

 

 祈りの基本は、主の御心を知ることであり、自己中心的な願いを神に押し付けることではない。何度も祈っている間に、求めているものが本当に自分にとって良いものなのか、御心に適っているのか、聖霊の導きにより分かってくるものである(あるいは、行動してみて導かれるものである)。私たちは、祈りの中で神と親しく交わることで、神の子としての性質を育てて頂こう。児童精神科医の田中哲さんは、子どもの心が健康に育つために必要なことを三つ挙げておられる。それは、神の子としての私たちが、父なく神によって育まれるべき性質そのものだと言える。

子どもの心の骨組みの育ち
  ――子どもの心が健康に育つために必要なこと
(その鍵は、始めの一年間)
1.愛されることへの信頼
 自分が何かできるからではなく、自分がその人の子どもだから、無条件に愛されていることを認知することはとても大切である。その認知の方法は優しい顔である。
2.自分は良いものであることの確信
 (自信を持って何かをやっていくことにつながる)
 自分はこの世界に歓迎されているということを認知する。なぜ自分に価値があると思えるのか。それは、自分にとって一番大事な人(母)が大切にしているものには価値がある、と子どもは認識する。(イザヤ43・4「わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している。」新改訳)
3.生きていくために必要な枠組み
 生きて行くためには、枠組みが必要なのだ、と子どもは認識しなければならない。枠組みとは、行動規範のこと(行動の枠組み)である。しても良いことと悪いことがあると認識する。自分は優しい人に大事にされているから、何をしてもよい、ということではない。それは、母親がだんだんと優しい顔をしなくなるときがあると知ることで、次第にはっきりしてくる。これを身に着けることで、出会いの次のステージ、他人との出会いができるようになっていく。
(マタイ7・12 「だから、人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい。これこそ律法と預言者である。」)
児童精神科医 東京都立小児総合医療センター 副院長 田中哲

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